その先の宮城・気仙沼

先日の職場の納涼会で隣り合わせになったYさんは、部署が違うため、仕事以外の話をしたことがない人でした。
(そういう人と親睦を深めるために、こういう場は設けられているのよね)ということで、乾杯後に話しかけました。

 

「Yさんは、東京のご出身ですか?」
Y「全然違いますよ。すごく田舎です」
「え、どちらですか?」ド田舎と聞いて興味しんしんの私。
Y「宮城です」

 

通常は「あ、そう」と、ここでいったん話が収まりますが、かつて宮城県民だったことがある私は、まだ追及の手を緩めません。
「宮城のどちらですか?」
宮城を「すごく田舎」と言うなんて、いったいどのエリアの方なんでしょう?

 

Y「・・・気仙沼(けせんぬま)です。知ってますか?」
「・・・あ〜、はい」
気仙沼なら、たしかにその表現に納得〜。(コラー)

 

「私は2年間、宮城の多賀城に住んでいたことがあります」
Y「多賀城? めちゃくちゃ都会ですね。もう仙台じゃないですか」
「ああ、はい・・・」
確かに、気仙沼目線だと、そう思えるのかも。

 

気仙沼出身の人とおしゃべりするのも、初めてです。
まず何より気になるのは、3.11以降のこと。
「ご実家の方々は、震災大丈夫でしたか?」

 

東日本大震災で、大きなダメージを受けた町でしたからね。
サンドイッチマンが被災した場所といったら、イメージが湧くでしょうか。

 

Y「自分も数日連絡とれませんでしたが、なんとか家族や友人は無事でした」
多賀城も相当津波の被害を受けましたが、太平洋外洋に面した気仙沼は、その比ではなかったことでしょう。

 

Y「宮城にいた時、気仙沼まで行きましたか?」と聞かれて
「ありません・・・すみません・・・」と答えます。

 

多賀城にいた中2‐中3期は、休日ナシで部活に明け暮れていたので(ちなみにブラバン)、ほとんど遠出をしませんでした。
仙台と石巻を結ぶJR仙石線沿いに住んでいたため、石巻から先は未知の世界。

 

「私にとって、宮城最果ての地は、金華山です」
Y「それは石巻ですよ」
「猫島は?ひょっこりひょうたん島は?」
Y「みんな石巻」
「仙石線の終点までしか私の宮城ワールドはないです〜」
Y「チッチッ、まだずっと先ですよ〜」

 

わからないので聞くしかないと、恥を忍んで尋ねます。
「正直、気仙沼への行き方がわかりません。
 仙台からどうやって行くんですか?石巻から別の電車に乗り換え?」

 

Y「仙台からどう行くか?うーん?」
Yさんは考え込んでしまいました。
地元民だから知ってるはずでは?と思いましたが、
Y「仙台から行ったことないんですよね」と言われてびっくり。

 

だって、宮城の中心・仙台は、イタリアのローマのようなものじゃないですか。
「全ての道は仙台に通ず!!」
Y「いえ、通じません。気仙沼からは行けませんよ」

 

「じゃ、じゃあ、気仙沼から仙台にはどうやって行くんですか?」
もはや震え声の私。

 

すると、驚きの答えが返ってきました。
Y「まずは大船渡線で一関に出ます」
「岩手!?」
Y「そこから仙台に降ります」
「それ、まさか新幹線?」
Y「新幹線に乗っても、トータルで3時間かかりますね」

 

ひええ・・・。
「仙台に就職しても、ご実家からは通えませんね」
Y「仙台は全くなじみがない別の土地です。むしろ生活は岩手寄りです」

 

グーグルマップを見ると、すぐ近くに陸前高田がありました。
「岩手との県境近くなんですね」

 

確かに、予想よりもずっと遠いところにあるようです。
高校の先輩は、村上弘明(陸前高田出身)や小野寺五典(気仙沼出身)だそうです。

 

Wikipediaより

紫の部分が仙台市、オレンジが多賀城市、赤が気仙沼市です。
黒丸は、県庁所在地。
赤丸は、私にとっての宮城最果て地、金華山です。

 

 Y「むしろ宮城南部エリアがさっぱりわかりません。岩沼とか白石とか」
 私「白石城に行きました」

 

Y「東京から仙台はすぐですが、気仙沼は遠くて、なかなか帰省できません」
「そんな遠くから来られたんだと、やっとわかりました。東京にようこそ」

 

はじめは宮城つながりだと思いましたが、話してみると、中身はほぼ岩手人とわかって驚く私【エリア担当】。
お次は、向かいの席のベス【食べ物担当】が話しかけます。

 

ベ「気仙沼でおいしいものって何ですか?」
Y「フカヒレですかねー。給食に出るくらいでしたから」

「フカヒレが給食に!?」
ざわつく周囲に「あ、ジャンクなものばかりですよ。いいものは全部横浜中華街に行っちゃうから」
はー、そう言っても食べ慣れてないから、味の違いが判らなそう。

 

私「さんまの水揚げ港が日本一ですよね。いつも目黒のさんまでお世話になってます」
Y「なのに市の魚はサンマじゃなくてカツオなんですよ」

そして市のキャラクターは、サンマでもカツオでもフカヒレでもなく、ホヤぼーや。

ホヤぼーや
 

Y「味付けも、こっちと違って濃いというか甘いです。
お赤飯には甘納豆を入れるし、茶碗蒸しも甘くて栗が入っています」

 

「青森と同じ!」と驚く私。
Y「昔は南部藩でしたからね」
「えーっ、そうなんですか?」

 

南部藩は、青森南部と岩手北部を指すものだと思っていましたが、宮城もエリア内だったとは。
Y「そう、仙台藩じゃないんです」
それで仙台への愛が薄いんですね。納得。

 

後で調べてみたところ、仙台藩のエリアはすっぽり今の宮城を網羅し、さらに岩手の南部藩と接しているようです。となると気仙沼は仙台藩かと思いますが、住民の心はどうやら岩手にあるようです。

うーむ。

 

土地感を持たない九州出身のベスは、にこやかに
「萩の月、美味しいですよね」と言いました。
あ、萩の月は仙台銘菓。この話題、大丈夫かしら・・・?

 

「でも、かもめの玉子の方が身近です」とYさん。
「それは大船渡銘菓―!」
やはり、限りなく岩手ソウルでした。Yさんと有名人の話をする時には、伊達政宗ではなく宮沢賢治の名前を出そうっと。

 

目黒のさんま

 

今年もサンマは不漁で、価格高騰しているため「目黒のさんま祭り」の開催が気になっていましたが、今月も開催されるようです!

・ 第24回 目黒のさんま祭り 2019/09/08(日) 宮古のさんま・約7000尾

第43回 目黒区民まつり    2019/09/15(日)   気仙沼のさんま・約5000尾

 

おいしい焼さんまが無料で提供されるため、毎年大勢の人々が集まり、2,3時間行列に並ぶと聞いています。
混雑必須の人気行事ながら、お祭り参加と被災地支援ができるいい機会でしょう。

 

宮城県について、多少は知っている気持ちでいましたが、それは限られた仙台近辺のみ。
もっとずっと奥深いところなんですよと、Yさんに教えてもらった夜でした。

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