見知らぬ共犯者
出勤途中、駅のエスカレーターで、私の前に立つ人の手には、書類カバンと一緒に文庫本が握られていました。
その表紙に目が吸い寄せられます。
(あっ、ねじまき鳥クロニクル。)


この人については、名前も知らず、顔も見ておらず、ただ一瞬そばに立っただけのゆきずりの間柄でしかありませんが、それでも自分が読んだことのある本を持つ、この人の頭の中は、今どんな世界で占められているかがよ〜くわかって、ひそかな共犯者のような気分になります。

エスカレーターに乗る数秒間の間に(これからぐいぐいはまって、抜け出せなくなりますよ)(双子の不思議さにひたってくださいね)(井戸のシーン、どうでした?)(ノモンハン、怖いですね)など、さまざまな問いかけを、この人の手に向かって、心で投げかけました。

同じ経験を共有できる人は、とても大切だけれど、同じ本体験を共有できる人も、とても大切。
朝のラッシュの中で、心の友に出会ったようなひと時を味わいました。

| book | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
| - | - | -
コメント
コメントする





  • コメントを取り消ししたい時は、またコメントでご連絡下さい。
  • 迷惑コメント対策として、リンクの掲載をブロックしています。掲載ご希望の方はおっしゃって下さい。
  • この記事のトラックバックURL
  • トラックバック機能は終了しました。
    トラックバック
    Powered by JUGEM                              ▲page top
                        Page: /   
    CALENDAR
    S M T W T F S
          1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    << February 2020 >>
    PROFILE
     
    SELECTED ENTRIES
    @lyca_'s tweets
    RECENT COMMENT
    CATEGORIES
    リカ's BLOG/HP
    ARCHIVES
    page top