歌舞伎の隈取り体験〜助六ごっこ
本当は「初めてのKISS体験♪」というタイトルにしたかったんですが、いろんなところからクレームが入りそうなので、やめておきました。(ヘヴィメタですよー)

座談会の後、急いで江戸東京博物館に向かいました。
cbmちゃんと待ち合わせて、隈取り体験教室に参加したんです。
隈取りなんて、もちろん初めての体験で、ワクワクします。
今まで舞台用メイクどころか、普段のメイクもしっかりしていない私。
まさか自分があんな強烈メイクをすることになるとは、思ってもいませんでした。

今回は「むきみ隈」という種類の隈取りをします。まず解説を受けてから、常設展内の歌舞伎舞台再現展示コーナーに行きました。ここにいる、むきみ隈の助六の顔をしげしげと見つめます。
先日、浮世絵美術館で江戸紫について調べてから、気になっている助六。
この江戸一番の色男になるんですか!
女の子じゃないのね〜。でも、隈取りって女性はしなかったかも〜。
まあ、素顔がわからないほど厚塗りするので、きっとなんとかなるでしょう。

と、のんきに思いながら、教室へ戻り、まずは髪を留めて洗顔しました。「冷たい〜」といいながら、冷水で顔の皮脂を落とします。脂が残っていると、舞台化粧が上手く乗らないんだとか。
地方行脚の役者さんは、冬つらいですね。

それから、固形の歌舞伎の塊を手に取り、掌で暖めて溶かしながら練ります。水洗顔した直後の冷え症の私の手は、しばらく冷たいままで、油がなかなか柔らかくならず、(油一つ温められない私…)と悲しくなりました。
ようやく平らになったところで、それを洗顔したての肌に、化粧水なしでいきなりペタペタとくっつけます。手荒な扱いに、肌はビックリしています。でも、これから更に肌が驚くことが起こっていくんですねー。
つい伸ばしてしまいそうになりますが、この油はのばさず、ペタペタつけていくようにします。

それから、暖めた蝋を眉が見えなくなるまでべったり塗る、眉つぶしをします。
ためらっていたら、スタッフの人に勢いよくつぶされて、あっという間にヤンキーになりました。

次に、顔中におしろいを塗りますが、これが簡単なようで結構大変な作業でした。
まず、おしろいを水で溶かして、はけで思い切りよく塗り、むらが出ないようにスポンジで叩いて水分を取っていきます。これも変に伸ばしてはダメなので、刷毛でぬってはスポンジで押さえる作業をせっせと重ねていきます。

私の顔が真っ白白スケに!こわい〜〜!!
子供が見たら、絶対泣いちゃいます。自分でも泣きそうです。
隣のcbmちゃんも、ほかの人も、一気に正体不明の生命体になっていました。
まるで山海塾です。この段階では、全然歌舞伎じゃありません。
鏡を覗きこんでいるうちに、鏡がショックでひび割れてきそうなので、先の行程に進みます。

ベースができたところで、いよいよメーキャップです。
グリセリンを含ませた筆で、紅と油墨をのばしていきます。
「まっすぐ、一息で書くと、いいできになりますよ」と言われますが、顔は起伏があるし、能面のような白粉の上には色がうまくのらず、みんな苦心惨澹しました。

鼻筋にまっすぐ紅を入れ、指で外側にぼかします。この辺りから、みんなそれぞれの描き方になっていきます。(こうかな、こうかな)と、いじっていたら、なんだか目の周りが真っ赤になりました。(なんだか歌舞伎じゃない…)と思いましたが、「はっきり色が入った方が映えますよ」と言われました。
cbmちゃんが「あの人、デーモン小暮だね」と言ったので、見てみると、あまりぼかさず、スッキリ細めのラインを入れている人は、確かに聖飢魔挟蕕砲覆辰討い泙靴拭

いよいよ眉を入れます。筋肉の流れを無視して、グイーッと上にラインを引き上げていきます。目からはるかに遠い、ありえないような場所に隈取りをしていきますが、最近のギャルメイクは、目力アップのために、目じゃないところにまでアイラインを引くのがコツなので、結構近いのかも。
今のはやりは、垂れ目メイクなので、隈取りとは真逆ですけれどね。

眉毛も、先ほど塗りつぶしたリアル眉毛よりもずっと上の、ひたいの辺りに描いていきます。これじゃあ顔をしかめたら、変な具合になっちゃいそう。
それを見せないための厚塗りなんでしょうけれどね。

こってりアイメイクのあとは、口に割を入れます。小指につけた紅を口の下端に乗せて、食いしばった「へ」の字になるよう、口角を下げるのです。
口も既におしろいで消しており、紅は唇の奥の方に入れるので、不思議な感じ。

ようやく完成〜!いやー、ずっと集中して鏡とにらめっこしていたので、疲れました。
出来上がった顔にビックリです。誰、この人?私?違う違う。
知らない人だし、ドラキュラみたいー。

メイク中、(私の場合、歌舞伎っていうより、CATSみたい)と思いました。
メ〜モリ〜♪
cbmちゃんは、(ラーマーヤナのハヌマーンみたい)と思ったそうです。
教室には、聖飢魔兇KISSもいて、なにやら正体不詳のミラクル会合になりました。

白塗りですべて隠すとはいっても、どうしても隠せないものもあります。顔型とか、目鼻立ちとか。cbmちゃんも私も、丸顔で、顔のパーツがはっきりしているので、目の周りの隈取りも大きくなり、エキゾチックな感じになったんでしょう。

歌舞伎の人たちに面長の人が多いのは、やっぱり隈取りが映える和風の顔型だからなんでしょうね。あと、素顔が地味な方が、好きなように隈取りできるので、歌舞伎っぽくなるのかも。

最後に、助六のはちまきとすげ傘を持って、撮影しました。
憧れの助六の江戸紫はちまき!まさか自分がすることになるとは…。
「目線はこの辺に。そこじゃなくて、もっと上!」などと、結構細かく指示されて撮ったので、見得を切ったっぽいショットになりました。
お見合い写真か、遺影に使えるかしら?

助六体験にキャッキャッと浮かれていたら、手招きされて椅子に座らされ、「下の両端を両手で持って」と、顔の前に四角い薄布を下げられました。
なんと、布に写して、押隈してくれたんです。
これって、魚拓ならぬ、顔拓ですねー!
雪の中に倒れこんで、残したことはありますが、布に移すなんて、これまた初体験。
釣りあげられた魚や、キリストのヴェロニカを思い出しました。

歌舞伎揚げの袋のプリントは、絵の具で描いた絵だと思っていましたが、顔拓だったとは。
歌舞伎役者も、毎回布に取ったりするそうです。

満足した後は、メイク落としにかかります。
ここまでごってりと塗ったので、落とすのが大変でした。
ベビーオイルで、ひたすらクレンジングしていきます。
白塗りの中から、自分の肌色が出てきたときには、(よかった、まだちゃんと残っていた)と、なんだかほっとしました。
落とすのに、結構時間がかかりました。メイクを落とした後は、今度はベビーオイルを落として。ようやく人間に戻りました。

おもしろかった〜。cbmちゃんも喜んでくれて、楽しい時間でした。
歌舞伎役者の中でも、「助六所縁江戸櫻」を演じられる人は、市川宗家で團十郎と海老蔵のみとのこと。海老蔵は、女性との話題ばっかり取り上げられるので、あんまり好きではありませんでしたが、このメイクを毎回していると思うと、それだけで尊敬する気持ちになりますね。御苦労なことです。
メイク落としに30分くらいかかってしまい、時間が押してしまったので、さらに次の予定が待っていた私は、「次も隈取りメイクで!」とわけわからないことを約束しながらcbmちゃんとお別れして、電車に飛び乗りました。

完成した、世にも恐ろしい助六リカです。イヨ〜ッ、載せちゃえーっ!
とってもがんばったんですが、親が見たら、間違いなく泣くわ・・・。
町でこんな人を見かけたら、きっと私なので、勇気を出して声をかけて下さいね!
あの、素顔は、もうちょっとマイルドなので、怖がらないでね・・・。
     
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コメント
月曜日はケロロ軍曹コスプレに隈取りメイクで来てくださいm(_ _)m(嘘ですw)
| 山猫は眠らない | 2010/01/21 6:45 PM |
山海塾だよねーあのビミョーに目の回りに白塗りされてないとこが残ってると山海塾。

家でやりたくなってきました!つか友達から「道具買ったらみんなでやりてぇ」とリクエスト多数!
| cbm | 2010/01/21 6:52 PM |
かっこえぇ〜!
一瞬誰なのかと思いましたが、よーく見ればリカさんそのものですね。 特に口元なんかそっくりですよ! (って、本人だった。(笑))
| (ゆ) | 2010/01/21 10:22 PM |
わぁカッコイイ!
自分の素顔を実験台にして歌舞伎メイク体験って面白いね。
そういうふうに歌舞伎役者は出来ているのねー
| panda | 2010/01/22 12:58 AM |
山猫さん

じゃあその格好で!
でも、外を歩いていたら、すぐにポリスに捕獲されてしまうと思います。
なんとか無事にたどり着けても、私かどうかわからずじまいで終わりそうですね・・・。

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cbmちゃん

あとは、パイ投げ合戦をした後みたいな?
外国の友達が来日した時に、「ウェルカムトゥジャパン!これは日本のフェイスペインティングだよ」って、隈取りしてあげたら、とっても喜ばれると思うわよー。
隈取りホームパーティを開く時には、呼んでねー(笑)。

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(ゆ)さん

ありがとう〜!兄と仰ぐあなたに引かれなくて、ほっとしましたよ。
口元でわかりました?まあ、確かに、「目でわかった」といわれたら、私のアイメイクが甘すぎたことになりますからね〜。(ゆ)さんも機会があったら、ぜひ!

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pandaさん

どうもありがとう〜!
やっぱり見るとやるのでは大違いだなあって思いました。もっとちょいちょいとカンタンにできるものだと思っていたけれど、儀式のように大変なものだったわー。
また展覧会でお会いしたいです☆
| リカ | 2010/01/23 2:50 AM |
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