戦国読書〜つわものどもが夢の跡
横山『三国志』(文庫版全30巻)を、読み終えました。
諸葛孔明が没し、蜀が滅び去るところで終わります。
魏に降伏し、王位を剥奪されても、小貴族として楽しく暮らした劉禅(劉備の息子)の暗愚な君主ぶりが、ままならぬ歴史の流れを強調しています。
希望に燃える先代の人々が、蜀という国を建てるために、生涯を尽くして力を注いだのに、後継者に力量がないと、積み上げたものはもろくも崩れ去るという現実が冷酷に記されます。

人が死ぬのは世の定めながら、その意志に関係なく、どんどん世の中は変わってしまうということですね。正に“天の時、地の利、人の和”3つ揃ってこその天下です。
吉川英治の小説と横山光輝の漫画で、雄大なこの歴史物語を、じっくり堪能することができました。

大河ドラマの進みに合わせて、『天地人』下巻も読みました。
TVでは、上杉が会津に国替えになったところですが、秀吉と前田利家の死後は、家康の天下に向けて、世の中が激しく動いて行きます。
主人公は関ヶ原の戦いで負ける側なので、読後感はなんともやるせないものでした。

勝者の視点に立っていると、行け行けどんどんと、向かうところ敵なしの気持ちになりますが、敗者側からすると、栄華が失われ、時代に見捨てられたような、世の無常を感じます。

国と年代は違えど、どちらも群雄割拠の戦国時代の物語。百花繚乱というか、百鬼夜行というか、大勢の名将智将が覇権を競い合った時代ですが、歴史は常に動いて行くもので、勝負には決着がつき、台頭するものと滅びるものが出てきます。
その時には勝利したものも、次には負けたりします。
本当に「つわものどもが夢の跡」だなあと、ほろ苦い気持ちになりました。

フィクション小説には、かならずエンディングで話の結末がありますが、歴史小説は、事実をベースにしているため、終わりのない歴史の中から一部分だけを切り取って作られています。

そこに、時の流れの無情さが感じられます。「祗園精舎の鐘の声〜」の『平家物語』や「ゆく川の流れは絶えずして〜」の『方丈記』は、それをなんと的確に言葉で表現しているんだろうと、改めて思います。

さて、次段階として、公約通り『孫子』を読み始めています。
兵法を読まずして、戦国時代は語れませんものね。
この本は、外資系でバリバリ働く知人の家に遊びに行った時にもらいました。(いいよ)と恐縮すると、棚を開けて中を見せてくれ、そこには同じ『孫子』の新品本が何十冊も入っていたので、ビックリ。
「みんなに勧めている本なんだ」と言われたので、それならと頂いて、そのまま本棚に飾っておいたのです。
兵法なので、かなりハードボイルドな内容かと思いきや、学生時代に読みこんだ、パスカルの『パンセ』に似ている、哲学的なものでした。
「彼を知り己を知れば百戦してあやうからず」や「風林火山」のくだりもあります。
「三十六計逃げるに如かず」はありません。これは孫子ではなく、檀道済(だんどうせい)将軍の言葉で、『兵法三十六計』(作者不明)とも関係ないそうでーす。

『孫子』は、繰り返し読んで自分の中に取り込めたら、とてもためになりそうです。
向かうところ敵なし?これを読んだら曹操になれるかも?(曹操はこの本の注釈を書いています)
でもまずは、『三国志』を貸してくれていた歴史博士に、先にお貸しして、感想を聞く予定です(アレ〜)。

その歴史博士から、夏休みのお土産をいただきました。
織田信長、上杉謙信、直江兼継、石田三成の家紋と前立がデザインされた戦国武将付箋です。
三成は、ヒールっぽくて、あまり人気がなさそうなイメージですが、今回の大河ドラマでは活躍していますからね。

ところで、かつての新潟県直江津市(現在:上越市)は、直江家と関係があるんでしょうか?
直江家は土地の名家で、兼継は婿入りしたわけですが、地名にもなるほどなら、よっぽど有力な家柄だったんだろうと思いました。兼継の子供の代で、お家断絶してしまいますが。
博士、私は風魔小太郎の付箋がよかったわー。(←忍者に家紋はありませーん)

[ 調べてみたら、やはり直江津の由来は、直江家が本領とした地域(港)という意味だそうです ]

9月から、堺屋太一氏が産経新聞で小説『三人の二代目』を連載するそうです。
関ケ原の戦いでの負け組となった二代目武将、毛利輝元、上杉景勝、宇喜多秀家の物語だそうな。おもしろそうですね〜。
堺屋氏の小説は未読ですが、彼原作の『峠の群像』は、大河で見ていました。
御年74歳とのこと。いい作品を期待しています。
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コメント
やっべー付箋wwww

孫子おもろいっすよね。パンセ的か。それは思ってもみなかったな。
また読んでみようっと!課題をありがとう。
| cbm | 2009/08/24 6:39 PM |
付箋、今度会う時持ってくね〜♪
石田三成の前立が気になるわ。読めないし…。

「パンセ」は私のバイブルにしようと思いつつ、最近全然読み返してません。でもその前に「孫子」…。
あなたがこの前読んだ「恋愛のディスクール」も、忘れちゃってるから、読み返したいわ。
| リカ | 2009/08/24 6:51 PM |
孫子、なつかしいね。
確かに、現在の経営戦略論は、孫子と相通ずるものがあると思うよ。私も読み返してみようかな!
| たままろ | 2009/08/24 9:57 PM |
たままろちゃん

あなたも彼からもらったのかな?
確かにビジネスマンの心得にもなる本だからね。
いい本を紹介してもらいましたー。
| リカ | 2009/08/25 7:58 PM |
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